日本茶と美容のある暮らし

お茶を味わう時間と、肌をいたわる時間。日本茶の文化を入口に、抹茶を取り入れた現代の美容用品との付き合い方を考えます。

日本で撮影された、点てた抹茶のあるひととき。文化イメージ写真

日本で撮影された抹茶の文化イメージ写真です。化粧品や当店の販売商品の写真ではありません。写真:Zed Can / Unsplash(Unsplash License)。

湯気の向こうに広がるお茶の香り。手を止めて一杯を味わう時間は、忙しい一日の中に、小さな区切りをつくってくれます。日本茶を思わせる香りのハンドクリームや、茶由来成分を配合したフェイスマスクも、素材や香りを選ぶ楽しみを、日々のお手入れへと広げています。

受け継がれる茶文化と、現代の美容用品

日本茶には、土地や製法による豊かな違いがあります。抹茶は、日光を遮って育てた茶葉を蒸し、揉まずに乾燥させた碾茶を、細かく挽いてつくるもの。茶の湯とともに受け継がれてきた背景には、茶を育てる人、仕上げる人、器をつくる人の仕事があります。

ただし、飲用のお茶の歴史と、現代の化粧品の働きは分けて考えたいものです。茶が日本で長く親しまれてきたからといって、抹茶を配合した化粧品が昔から同じ形で使われていたわけではありません。今の処方や香りづくりを通して、地域の素材を新しいかたちで楽しむ。それが、今日のお茶と美容の接点のひとつです。

「抹茶」の名前から、表示を読む楽しみへ

茶葉、茶葉エキス、茶葉水など、化粧品に使われる茶由来の原料はひとつではありません。また、茶由来成分を配合していることと、抹茶をイメージした香りであることも別の情報です。パッケージでは、成分名、配合目的、香りの説明をそれぞれ確かめてみましょう。

例えば、デイリーアロマジャパンのMATCHAシリーズは、京都府南山城村の茶畑再生の取り組みを背景にした製品で、公式説明では茶葉や茶花を活用した原料が紹介されています。フェイスマスクとハンドクリームでは、チャ葉水・チャ花水を整肌成分として表示。こうした具体的な説明は、抽象的な「お茶の力」という言葉よりも、製品と土地の関係を知る手がかりになります。なお、この由来や配合を、別ブランドの抹茶製品すべてに当てはめることはできません。

フェイスマスクは、指定の時間で

シートマスクを選ぶときは、香りや素材に加え、使う順番、顔にのせる時間、使用頻度を確認します。清潔な手で広げ、目や口の位置に合わせ、製品表示にある時間で外します。長くのせるほどよい、乾くまで使えばよい、とは考えず、就寝中の使用など、案内されていない使い方は避けましょう。

香りを楽しみながら、短い時間だけ予定を入れずに過ごす。日々のケアを丁寧にすることと、強い美容効果を求めることは同じではありません。使用後のお手入れも、各製品の説明に従ってください。

ハンドクリームを、暮らしの合間に

手を洗ったあとや外出前など、手肌の乾燥が気になる場面に、ハンドクリームを取り入れてみます。清潔な手に適量をとり、手の甲や指先まで無理なくなじませる。香りの好みだけでなく、べたつきやすさ、持ち運びやすさ、普段の作業との相性も選ぶ基準になります。

抹茶の名前や色だけを理由に、美白、にきびの改善、若返りなどを期待するものではありません。化粧品の働きは製品の処方と表示に基づいて受け止め、傷や湿疹があるときは使用を控えてください。赤みやかゆみなどの異常が出た場合は使うのをやめ、必要に応じて皮膚科医に相談しましょう。

飲むものと、肌に使うものを分ける

飲用の抹茶を、そのまま手づくりのフェイスパックにすることは、ここではおすすめしていません。食品と化粧品では、用途や使い方が異なります。お茶はお茶として味わい、肌には肌のためにつくられた製品を表示どおりに使う。その区別を大切にすると、日本茶のある暮らしを、無理なく楽しめます。

参考資料